2010年3月18日木曜日

地方政治と全国政治

問い:現代日本における地方政治と全国政治の関係について自由に論じなさい

全国政治とは、いわゆる「永田町」周辺で日々行われている中央政府の政治であると解し、ここでは選挙過程政治について論じる。

日本の国会議員は、特に自民党議員の場合であるが、地方政治家を動員して集票を行っている。例えば、参議院選と統一地方選挙が同年に行われた場合に、参院選の投票率が下がる現象について、統一地方選で疲弊した地方議員の動員が進まないためであるという説明があったように、地方政治家は全国政治のアクターである国会議員の選挙に関係している。

県や政令市レベルでは、議員の政党化が進んでいる。そのために、中央と地方の政治家が、政党所属を通じて密接に関係している。町村レベルでは、共産党や公明党所属の議員は散見されるが、多くの議員が無所属である。しかし、多くは保守系であると言われ、自民党政権時代は自民党国会議員と関係を結んでいた。
中選挙区制時代においては、自民党候補同士の地域分割の影響もあり、保守系地方議員の多くが、自民党国会議員と系列関係にあった。さらに、一党優位体制にあった自民党国会議員は、地元にハコモノなどの利益を誘導していたことが、ジャーナリズムや政治学者から指摘されている。つまり、地方議員は国会議員の集票を助け、国会議員は地方政治家の選好に適う地元利益を誘導する「票と地元利益」の交換関係があったと指摘できる。
国会議員と地方政治家との間に主従関係やある種のクライアンティズムがあったという論者もいるが、上述のように相互互換的側面もあり、イタリアのような厳格なクライアンティズムではなかったと考えられる。しかし、中央集権である以上国会議員の方が権限を持ち得たために、国会議員優位の関係があったであろう。

このように、政党と選挙を通じて、両者のリンクが見られた。

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